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「……我慢できない」
遊は真人の膝裏に腕を差し込むと、軽々と担ぎ上げた。真人は遊の首に両腕を絡め、肩口に頭を寄せた。
寝室に入って、真人をゆっくりと横たえた。離れ難そうな真人の腕を下ろして、体が夜気に冷えないように上掛けをかけた。
「少し待ってて……」
遊は真人の乱れた前髪を撫でつけると潤んだ目元に触れるだけの口づけをした。
そして脇のテーブルへ行き、甘ったるいイランイランの香りを炊いた。
官能の香りが燻りながら室内をたゆたい、ゆったりと空間を満たしていく。
振り向いた遊の目には、褥に横になり顔をこちらに向けている真人が堪らなく魅惑的に映った。熱を帯びた二人の視線が絡む。
香りが二人の鼻腔から入って、脳を巡り、次第に全身の感覚が官能で埋め尽くされる。
甘い熱を体の奥から引き出し、二人の欲望を煽る。
何度体を重ねても二人の欲求は途絶えることなく、お互いの熱を求めてやまない。
真人の横に移動し、顔を覗き込みながら囁いた。「愛してる……」
「僕も愛してる……ゆぅ…」そう言って、真人は遊に手を伸ばした。
「……来てっ………」
頬を赤らめ、切なげな流し目に色香を溢れさせ、甘い声で恋人に強請る。
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