第1章

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そこからはもう、一直線だった。 職人が手掛ける作品を世に売り出す。 そういった職業に就けるように、インテリアや家具に関する知識を集めて学んで。 そうやって入社したのがここ、大南商事(だいなんしょうじ)だ。 ちなみに大南は、社長の名字。 入社してからはもう、美島さんを口説く事に全てを注いだ。 彼の気持ちや要望をしっかりと受け止め、時には俺が持って来た話を断られもしたし、 とにかく彼をその気にさせるのにどれだけ苦労したことか。 金儲けをしたいんじゃない。 美島さんのあの素敵な作品を、色んな人に見てもらいたくて。 美島さんの作品は、人の気持ちを動かすことの出来る作品だ。 俺が、そうであったように。 そんな俺の気持ちが通じて、美島さんが全てを俺に預けてくれた時、 どんなに嬉しかったか鮮明に覚えている。 この人と、この人の作品を世に出すことが、俺の使命になった。
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