第4章

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「もっとねぇのかよ、浮気相手に子供を産ませて捨てたとか、 実はギャンブラーで家賃払えなくてすっげぇ借金抱えてるとか。 あ、水虫があってもいいな。あのイケてる面で水虫とか、一番やべぇかも」 「……………………妄想か願望かよく分からないスイッチ自分で押すのやめろ」 危ないものでも見るような顔の児玉に、俺は舌打ちをしながら豚キムチを口に入れた。 「なぁんでさっきのネタでビビんねーかな。あのイケメン須藤さんが男と……だぞ? 女の子達はきゃあきゃあ喜んでたけどさ、同じ男からしてみればやべぇだろ」 そのやべぇのくくりに、目の前にいる俺が入ってしまっているなんて。 考えもつかないだろうな、児玉。 「男とはねーわ。お気に入りの早川ちゃんとでもねーわ」 「ぁあ?うっせぇな、こっちから願い下げだ、そんな使い過ぎて腐り切った下半身」 「……………………もう須藤さんの話やめようよ。俺だけが傷付く」 そこまでテンションを下げられてしまっては、 いい加減少しだけ申し訳ない気持ちが湧いて来るのが人間の性だ。 「…………児玉。俺が突っ込む方ならヤッてやっても良い」 「……………………それがフォローだと思ってる早川ちゃんが本気で怖ぇ」 百万歩譲歩してやったのに、コノヤロウ。 「ヨシ。今から抱いてやる。来い」 最終的には児玉がちらりと薄い視線を俺に返しただけで、 あの児玉に無視をされるという結果に、少なからず俺も傷付いた。 この変なテンションも。 きっと、須藤さんのせいだ。 いつか目にもの見せてやる。
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