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「明莉~!杏奈ちゃん、来たわよ~!」
階下で母親の声が響く。
朝から賑やかだね…
私はゆっくりベッドから抜け出て更にゆっくり制服に着替える。
「杏奈ちゃん、いつもごめんなさいね。明莉~!明莉~!早くしなさい」
学生鞄とスポーツバックを持って階段を下りる。
「明莉ちゃん、おはよー」
玄関にはちょっとはにかんだような笑顔の杏奈。
今朝の朝日よりも眩しいよ。心の中で呟き私も笑顔を返す。
「行ってきまーす!」
ドアの前で手を振る母親に片手を挙げて私と杏奈は歩き出す。
「毎度煩い母親でごめんね」
私が笑いながら言うと杏奈も笑って首を振る。
「明莉ちゃんのお母さんは元気だから羨ましい。うちは昨日からまた体調崩して寝てるの」
後半はちょっと心配そうに。
「杏奈のお母さん、体弱いもんね」
「うん。私もそっくりで嫌になっちゃう。」
杏奈の色白な首筋には細くて青い血管が浮かんで綺麗だ。手も足も細くて長い杏奈はお人形さんみたいで長い黒髪が似合っている。
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