1238人が本棚に入れています
本棚に追加
「もう勝利した気分でいるの? 甘く見てると足元をすくわれるよ?」
オセロが終わる頃には、時間はもっと減ってるのだから、別に大した事ではない。
「ふふ、圭介こそ。やめるなら、今だよ?」
そんな計算もあって、あたしは快くOKしたのだ。
「その言葉、そっくりそのまま返す」
それに、
たまにはあたしが圭介をこてんぱんに負かして優位に立ちたい。
…………と、思ってたんだけど。
自分の石がパタンパタンとひっくり返されて行く現状に、焦りがだんだん肩に積もって行く。
最初は白と黒の綺麗なコントラストだったオセロ台は今や、ほぼ、真っ黒。
そして、黒を操っているのは圭介。
もはやあたしは全然笑えない。
(つ、強い。異常に強すぎる。こんなはずじゃ……)
最初のコメントを投稿しよう!