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Side 七海
――トントン
「どうぞ」
シルクのボディタオルを前にあてがい、片手でガラス戸を開けると、
「お待たせしました」
湯煙が立ち上る向こう側に湯船に浸かった圭介の微笑む姿が見えた。
「いらっしゃい」
そろりと浴槽に近づいて右足を入れ、中に入った所で素早く圭介から背を向け、二人羽織するように重なる形で座った。
こうすれば、丸見えのお尻を圭介に晒す事にはならない。
水嵩がいっきり増し、ザザザーッと浴槽から流れ出た後、
「……そこまで頑なに隠さなくても、普通に入ればいいのに」
背後から圭介が呆れた声をだした。
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