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「ちがっ…! だって、あれは、圭介がそうしろって…」
「そ、あの日の七海は俺の言いなりだったもんね?」
「……(くっそぉ~…)」
苦い記憶と悔しさが、まざまざと蘇えってきた。
そう、あたしはあの日、圭介との賭けに負けて。
彼の言いなりだったのだ。
あれは確か、新婚1ケ月くらいの頃だったと思う。
きっかけは……
―――――――――
――――――
―――…
「これどうしたんだ? オセロじゃないか」
夕食後、圭介がリビングの棚上にあった携帯式ミニオセロを発見し、不思議そうに聞いてきた。
「ああ、それね、この前会社近くに新しく出来た百円均一の店に行った時に見かけて思わず買っちゃったの」
懐かしさも手伝ってつい衝動買い、というやつだ。
ま、衝動買いしたところで100円+消費税だけどね。
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