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「あはは、まあね。…ね、ところで圭介はオセロできる?」
「昔、兄貴とよくやったよ」
「強かった?」
そこでなぜか、一拍の間があり、
「俺は弱くていつも負けてたよ」
欧米人のように両手を上げた。
「そうなんだ?」
「七海は?」
「よくぞ聞いてくれました」
拳で自分の胸をトン、と叩き、
「あたしは結構強かったよ? 家族や親戚中でも、あたしがいつも一番だった」
得意げに言うと、圭介が挑発気味に笑った。
「へーえ? そうなの? どれ、お手並み拝見しようか」
負ける気などしないあたしはもちろん、
「いいよ?」
受けて立った。
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