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カーテンが半分だけ開いているんだ。
体を捻じれば光はそれ以上僕の顔に刺さない。
休みの日は、咲子は僕を寝かせてくれる。
起こしてくれればいいのに、と言ったこともあるけど。
咲子は笑って首を傾げていた。
「こういう一人の時間も悪くないなあって。」
文庫本、マグカップ、キャラメルの包み紙、
ネイル、通販カタログ。
朝食の時には片付けられているに違いない、小さなモノたちがダイニングの空気を少しずつ起こしている。
大抵は雪子の好きなアニメのオープニング曲が流れて、朝食の匂いがして僕も起きる
きっとそろそろだ
雪子
そうだ、咲子は出かけるから雪子を起こさなきゃ
起き上がったが、静かすぎる
雪子を探したが、
いつも遊んでいるリビングにも和室にも居ない
ダイニングテーブルの上に、紙があった。
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