21人が本棚に入れています
本棚に追加
[ガチャン!]
勢いよくドアを開ける。
「さくら!さくらいるか?」
[シ~ン…]
「お~い!さくら、どこにいるの?」
そう 呼び掛けるが返事がない…
「……」
静寂が訪れる。
(どこに行ったんだよ…)
そう思っていると、机の上に置き手紙があった。
[私用が出来ましたので、二、三日、留守にします。
二、三日したら、帰って来ますので心配しないで待っててください]。
手紙にはそう書いている。
「さくらって、ちゃんと 字を書けるんだ。」
と 関心した。
(いやいや、関心している場合じゃない。こんなことになるなら携帯くらい持たすべきだったかな…)
そんなことを考えながら
ソファーに腰掛けた。
「はぁ… せっかく大事なことを思い出したのに… 肝心なさくらが居ないんじゃなぁ。」
そう言ってガックリと肩を落とした。
お風呂に入り、ご飯を食べ ソファーで寛ぐ、
「…なんか寂しいなぁ。」
テレビを見ながらふと そう思った。
元々一人暮らしだったから、これが普通の生活のはずなのだが、ここ最近は、ずっとさくらと一緒だったから、急に一人にされると、寂しく感じてしまうのである。
「まぁ、帰ってくると言っているんだから待つしかないか…」
そう、自分に言い聞かせて寝床へついた。
最初のコメントを投稿しよう!