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母と子
「ふう… 今日も1日疲れたな。」
そう言いいながら、講演駅のホームで缶コーヒーを飲んでいると、
[トルルル~♪トルルル~♪]
胸ポケットの携帯が鳴りだした。
「はい。」
「けんちゃん、お久しぶりね。元気にしてる?」
声の主は母親だった。
「お久しぶり。元気にしてるよ。どうしたの?」
「母さんね、今、日本に帰って来てるのよ。今夜家に帰ろうと思うんだけど大丈夫かしら?」
「また突然だね。大丈夫だけど。何時に来るの?」
「夕方の8時くらいかな。」
「わかった。待ってるよ。」
高校3年の時に父さんを亡くしたからは、母さんと2人暮らしだ。母さんは世界的に有名な医学者だから滅多に家には帰って来ない。
日本に帰って来る時は極力時間を作って家によるようにしているようだ。
「はやく帰ろう。」
そう呟いた。
普段から一人暮らしみたいなもんだからやはり嬉しいのである。
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