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出会い
[ジリジリジリジリ!!!!]
「う~ん…」
寝ぼけ眼で手を伸ばし 目覚ましを止めた。
顔を洗いトーストを食べ、コーヒーを飲み、身支度を済ませて出勤する。
ごく普通のサラリーマンの平日の1コマである。
会社に着き、ディスクワークをして、電車に揺られながら帰宅。
そして1日が終わる。それがいつもの流れだったのだが…。
「あれっ?ここはどこだ?」
帰宅中の電車、眠りこけていたのか周りを見渡せば見知らぬ景色が広がっているではないか…。
(寝過ごした!!)
とっさにそう思った。だから慌てて次の駅で降りたのだが…
「なんだここは?」
見渡す限りの田んぼ。奥の方に小高い丘がある。
そこには見たことない景色が広がっていた。
引き返そうにもさっきのが終電だしな…。
今、自分が置かれてる状況を整理しながら、取り敢えず前に進むことにした。
テクテク歩きながら後ろを振り返ってみると…。
(駅がない!?)
「はっ?」
今さっき降りた駅が跡形もなくないのである。
もう絶望だ。何が何だかさっぱり意味不明。
ふと、先ほどの丘の方を見ると何やら灯りがあるではないか。
「取り敢えずあそこへ行こう。」
真っ暗な田舎に一人ぼっち。大人の男でも怖くなるし不安にもなる。
この意味不明な状況も重なって余計にだ。
小走りでその灯りの元へ向かった。
願わくば妖怪の類でありませんように。
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