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暫く歩いて、その灯りは丘の麓の荒ら屋からの灯りだとわかった。
トントントン♪
「すいませ~ん。 夜分遅くすいませ~ん!」
恐る恐るドアをノックする。
「は~い♪どちら様ですか?」
そう言いながらドアが開くと、二十歳くらいだろうか、色白の可愛い女性、いや、女の子と言った方がいいのか。 兎に角そんな子が出て来た。
「えっと…」
何から説明したらいいのか分からず、たじろんでいると…
「あぁ!! あなたですね♪ どうぞお入りください♪」
敬語なんだけど、何処か暖かい口調で女の子はそう言った。
(この子はわたしを知っているのか?わたしは知らないけど、いや、 もしかしたらこの不思議なことはこの子が関係しているのか?)
色々と考えながら言われるままに部屋にあがる。
「お腹空いてるでしょ?。ご飯作ってあげるから待ってて♪」
そう言うと女の子はその場から離れた。
「えっ、えぇ…」
なんだろう。間と言うかペースを女の子に持って行かれるのであった。
(色々と知りたいことだらけなんだけどな。)
暫くして
「ご飯出来たよ♪」
出て来たのはまさかのカレー。 おいおい、荒ら屋の雰囲気なら和食じゃねぇのか!突っ込みはおいといて。
「ありがとうございます。いただきます。」
もう空腹なのでこれに毒が盛られてたら…とか、もう知りません。
パクパクパクパク…
「うっ、うまい!!」
凄い美味い。レストランで出て来るような味である。
「ありがとうございます♪」
女の子はニコニコしながらそう言った。
食べながらわたしは
「そう言えばわたしがここへ来た時、あなたはわたしを知っているような感じでしたが…」
そうやって話ていると女の子は
「わたしは知っていますよ。あなたは知らないでしょうけど…」
女の子は少し寂しそうな目をした。
ゴトン!! もの凄い大きな音がする。
「痛たたたた…」
自分の鞄が足元に落ちた。
(なんだただの夢か… 疲れてるんなやな。)
そう思いながら電車を降り家路へ急いだ。
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