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翌朝いつもの様に身支度をして、朝食を食べて出勤。
「武田くん、ちょっときたまえ…」
昼前である。部長に呼び出しをくらったのは…
「この企画書なのだが…」
部長はそう言い出すと… 企画書のダメ出し、挙げ句の果てには説教をくらうはめになった。
解放されたのは一時過ぎ…
結局今日は、お昼抜きで午後の仕事を終わらせて、今帰りの電車の中である。
「今日は散々な1日だったな… しかしあそこまで言わなくてもさ…」
独り言の様に小さく愚痴をこぼしてると
[ぐぅぅぅ~!!]
お腹の虫が鳴りました(笑)
多分周りにも聞こえただろう。独り言も小声でボソボソ言ってたのになんと言うことだ。
[次は、桜ヶ丘、桜ヶ丘です。 右側のドアが開きます。]
駅を降り近くのコンビニで、遅い夕食を買って帰宅した。
「ただいま!!」
家の鍵を開けてただいまと叫んでみた。
[シーン…]
静寂に包まれる。
「誰も居ないんだから、静かで当たり前なんだけどな。」
そう言って部屋の電気を付けると…
「ん?なんかいる!!なんかいる!!」
ソファーの上で女の子が寝ているではないか!!
「えっ? えっ?えぇぇ!」
我が眼を疑った。
[ガタン!!]
家の表札を確認、確かに自分の家だ。
えっ?
なんなんだこれは?帰ったきたら知らない女の子が部屋にいる。誰だって驚くだろう。
しかも鍵がかかっていたはずなのだが…
茫然とするわたしを尻目に、
「お帰りなさい♪お疲れ様です。」
明るく、そしてどこか優しい声で女の子はそう言った。
「ど、どちら様ですか?」
色々突っ込み所はあるのだが、とっさに出た言葉がそれだった。
「やだ、昨日も会いましたよ♪」
にこやかに女の子は笑った。
「昨日… 昨日ってあの夢の…?」
思い当たる節はそれしかない。
「はい。」
[ポカ~ン…]
もう意味不明である。開いた口が塞がらない。
「私は精霊です。」
状況が掴めず混乱するわたしに女の子は続けざまに話し出す。
「あなたを助けるためにやって来たのです。」
「助ける?」
わたしがそう聞くと、
「あなたの望みを何でも叶えてあげます。ただし、殺人とか物騒なのは止めてくださいね。」
女の子はそう言うとソファーから立った。
「さぁ、何か一つ願い事を言ってみてください。」
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