出会い

5/6
前へ
/19ページ
次へ
翌朝。わたしは、女の子の様子を見に行った。 [スースー] ぐっすり寝ている。しかし可愛いな。長くて綺麗な茶髪、白い肌、欧州の美女みたいだ。でも顔立ちは少し幼い。兎に角可愛いの一言だ。 そんなことを考えていると 「んんん…」 どうやらお目覚めの様です。 「おはよう。」 わたしはそう言うと 「おはようございます♪」 引き込まれるような声と笑顔が返ってきた。 「体調は大丈夫?」 そう聞くと 「もう大丈夫ですよ♪」 と返ってきたので 「ご飯いる?と言っても簡単なものしか作れないけど。」 「あっ、ご飯出来るまでそのソファーに座っててください。」 そう言いテレビをつけて、キッチンへ向かった。 「わぁ!! 何ですかこれ?」 「四角い箱の中で、色々動く…。」 まさかこの子テレビを知らないのか? いや、精霊と言っていたからあり得なくはないか… 「あのねこれは…」 はい!テレビの説明タイムです。 「なるほど…わかりました。」 本当にわかったのかわからないが、取り敢えず説明は終わり。今日が休日で良かった。でなければ、説明なんかしてる時間がなかったよ。 そしてキッチンに戻り朝食を作る。 「できたよ。」 トーストと目玉焼き。軽く野菜サラダ。独り者の男が作る料理としては上出来だろう。 「いただきます。」 わたしがそう言うと、 「いただきます。」 女の子もそう言って食事を始める。 わたしは聞きたいことを話始めた。 「今更なんだけど、あなたの名前はなんなのですか?」 失礼かと思ったが、そう聞いた。 「わたしには名前がないんですよ。 ただ、桜の木の精霊と呼ばれています。」 女の子は少し寂しそうに言った。 「う~ん。じゃわたしが名前を付けましょう。桜の木だから、:さくら:でどうでしょう?」 なんとも安易な名前…しかも失礼極まりない。しかし何故だろう… ずっと前から一緒にいるような感覚があるのである。それが話し方にも出るのだろうか。 「ありがとうございます♪」 さくらは凄い嬉しそうに答えた。こんな名前で喜んで貰えるなんて… せっかく休日なんだからさくらと街に繰り出そう。さくらもいい勉強になるだろう。と言うことで 「そうだ、 今日は休みだし買い物に行きませんか?」 そうきりだした。 「いいですよ。いきましょう♪」 さくらはそう言った。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21人が本棚に入れています
本棚に追加