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翌朝。わたしは、女の子の様子を見に行った。
[スースー]
ぐっすり寝ている。しかし可愛いな。長くて綺麗な茶髪、白い肌、欧州の美女みたいだ。でも顔立ちは少し幼い。兎に角可愛いの一言だ。
そんなことを考えていると
「んんん…」
どうやらお目覚めの様です。
「おはよう。」
わたしはそう言うと
「おはようございます♪」
引き込まれるような声と笑顔が返ってきた。
「体調は大丈夫?」
そう聞くと
「もう大丈夫ですよ♪」
と返ってきたので
「ご飯いる?と言っても簡単なものしか作れないけど。」
「あっ、ご飯出来るまでそのソファーに座っててください。」
そう言いテレビをつけて、キッチンへ向かった。
「わぁ!! 何ですかこれ?」
「四角い箱の中で、色々動く…。」
まさかこの子テレビを知らないのか?
いや、精霊と言っていたからあり得なくはないか…
「あのねこれは…」
はい!テレビの説明タイムです。
「なるほど…わかりました。」
本当にわかったのかわからないが、取り敢えず説明は終わり。今日が休日で良かった。でなければ、説明なんかしてる時間がなかったよ。
そしてキッチンに戻り朝食を作る。
「できたよ。」
トーストと目玉焼き。軽く野菜サラダ。独り者の男が作る料理としては上出来だろう。
「いただきます。」
わたしがそう言うと、
「いただきます。」
女の子もそう言って食事を始める。
わたしは聞きたいことを話始めた。
「今更なんだけど、あなたの名前はなんなのですか?」
失礼かと思ったが、そう聞いた。
「わたしには名前がないんですよ。 ただ、桜の木の精霊と呼ばれています。」
女の子は少し寂しそうに言った。
「う~ん。じゃわたしが名前を付けましょう。桜の木だから、:さくら:でどうでしょう?」
なんとも安易な名前…しかも失礼極まりない。しかし何故だろう… ずっと前から一緒にいるような感覚があるのである。それが話し方にも出るのだろうか。
「ありがとうございます♪」
さくらは凄い嬉しそうに答えた。こんな名前で喜んで貰えるなんて…
せっかく休日なんだからさくらと街に繰り出そう。さくらもいい勉強になるだろう。と言うことで
「そうだ、 今日は休みだし買い物に行きませんか?」
そうきりだした。
「いいですよ。いきましょう♪」
さくらはそう言った。
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