1622人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
いやいや、ナイナイ。
笑いながら言って、首を左右に振る。
「えー」
「だって、海治だよ?」
「えー」
「海治だって、そんなつもり無いし
……また、すぐ彼女出来るでしょ?」
「そうかなぁ……?海治さん、咲良の事」
「無いよ、あったら困る」
雄子のセリフを遮って
あたしは、断言した。
あったら困るよ。
海治とはそういう関係になりたくない。
今の都合のイイままで良いんだ。
不意に
‘自分を粗末にすんなよ?’
何故だか、志伸さんの言葉を思い出す。
自分の事は棚上げにして
よく、あんな事が言えるもんだ。
あんな真面目くさった顔をして
あたしに舐めさせて。
笑っちゃうよ、ねぇオニイチャン
腑に落ちない面持ちの雄子に
微笑みながら、お昼にしよう?と
促して
やっとあたし達は席を立った。
最初のコメントを投稿しよう!