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いわば、彼が
親。
イキついた先は
ほぼ、暗闇
志伸さんは
いつも、終わりの時にあたしに微笑む
鏡ごしに見えた笑顔は
今日もあたしを捉えて、最後の瞬間まで
離さなかった。
「じゃあな、戸締まりちゃんとしろよ」
「うん」
午前三時を回った頃
アニは帰って行った。
いつものように
頬をスルリと手の甲で撫でて行く。
アニも
どんな事があっても
必ず自分の家に帰るヒトで
血の繋がりは無いのに
あたしとおんなじだ、と思っていた。
だけど、それは実は違う。
あたしのこの癖も
アニからの刷り込みのひとつ
そう気付いて
可笑しくなって、大笑いしたのが
二年前。
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