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「間違いなく、彼女なんだけどな」
コーヒーの苦味が口の中に残る
このレポートを書いたのは
関本 雄子ではなく、彼女だと
確信をしていた
三神は
自分自身が不思議だった
別に
このレポートを高評価にしておくだけで
良いじゃないかと
誰が書いたか、なんか
突っ込んで知らなくていい
放っておけば、いい
どうして
そこまで拘(こだわ)るんだ
見てみたかった?
知りたかった?
「探りたかった、…………か」
三神は数学者の端くれだ
若い頃は名のある賞を獲り
その世界で‘ミカミ’と言えば
知らない者はいない
三神にしてみれば
摩訶不思議な思想を備えた
誰か、を探ってみたかった
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