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光の散乱か…… 四限にも出ないつもりだったのに 番狂わせな程落ち着きが無くなって 勝手に次の教室に足が向く。 あたしは さっきの三神センセーの言葉を思い出していた。 数学は物理学とも深く関わり 光の散乱はどちらかというと 物理学の方で。 彼に対して湧いた興味をどうすれば 無かった事に出来るのか 考えてみる。 その考えは意外と簡単に見つかる 「咲良」 目の前には海治。 なんて、タイミングのいい。 「海治、聞きたい事がある」 「なに、どうしたの」 珍しいね、咲良。 そう、囁いて 柔らかく微笑んだ 海治の髪が、陽の光に反射して 薄茶色に色を変えた。 「湧いた興味を払拭するには どうすればいい?」 この時のあたしは、思えば 切羽詰まった状態だったのかも しれない。
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