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あたしとした事が この日二度目。 生命維持活動の基本中の基本 ‘呼吸’を忘れて、 しかも、立ち止まってしまった。 ピタリと縫い付けられてしまう。 彼の双眼の先にいるあたしは 止まらざるを得なくて また、足元からの焦燥感に ジワリと嫌な汗が滲む。 「咲良?」 「さくら!」 海治の二度目の呼び掛けで やっと、足元に張り付いた糸を切り 何事もなかったかのように また、歩き出して あたしはソコから抜け出した。
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