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「どうして法学を専攻したのですか?」 「は?」 どこにこの会話の脈絡があるんだろう。 「Mr.バーグが仰ってました」 「バーグ先生?」 「君は、あらゆるところの天才だと」 「…………」 「現に君の書いたレポートは 今までの誰とも比べようがないくらいに ……素晴らしいものでした」 そこで、気付く。 おいおい、こらこら。 それは誘導尋問だろ。 「あの……レポートって なんですか?」 この際、売られた喧嘩は買う事にして シラを切りとうそう。 やっぱり 三神センセーと視線を通わせるのは あたしにとっては難関モノだけど こうするしか、無かった。 見事なまでに クッキリと、ハッキリと 創られた見目に負けないように 必死で首を傾げる素振りをつけて 彼からの応答を待つ。
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