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「家はどこですか?」 「お構い無く、駅で下ろして下さい 電車で帰ります」 「わかりました」 やけにあっさり引き下がるんだ。 無言の車内 当たり前だけどなんにも話題が無い。 話す気にもなれない。 ただ前を見て ただ座っているだけなのに 左側から漂ってくる 得体の知れない、例の何か、が ヒシヒシとあたしを突っつく。 やっぱりアンバランスだ 心身共に不調をきたすような気がする。 「どうしました?酔いましたか」 「いーえ」 何故か、フ、と笑われたような気がして あたしの気分は益々下降気味。 「今からそんな様子では わたしの方が優勢ですね」 「そーですか」
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