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「あ」
昨日の事がどこか夢の中の事のような
気がするも、Ｔ大病院で処方された
薬をテーブルの上に見付けて
現実だったと知らされる
ちょっとした違和感から
もしかしたら、と思ってトイレに駆け込んで
「……ハハ」
そう言えば
もう、そうだったかもしれない
昨日あんなにも苦しい思いをしていたのに
なんて面白可笑しな結果になったんだろう
「薬、必要なかったな……」
赤く染まったトイレの水を流しながら
滑稽な自分を笑った
スマホを何処かに置きっぱなしにしていたのを思い出し、周囲を探してみる
見つからない事に諦めて、固定電話から
携帯番号をプッシュすると
くぐもった着信音が何処かから聞こえるような
聞こえないような
鳴らしっぱなしにしておいて
音の出所を探った
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