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マスター三神の住処に間違いない
うちの倍はある広い玄関に
備え付けられた、シュークローゼットの合間にある棚。
車の鍵と、玄関の鍵とをその上の籐で編んだ小さな籠に放り込んで
「どうぞ」
部屋の中へあたしを導く。
リビングは
一段と香りがきつくなった気がする。
鼻腔に届く成分が
身体を浮わつかせた。
「今日からここに居てもらいます」
突然の低音に、ビクリと身体を震わせたのは、その声がすぐ後ろから聞こえたからだった。
「何をするのも自由にしてください」
あたしの左手首に巻き付いた
マスター三神の左手が
散々付けられたその痣を、なぞる。
「ただひとつだけ」
耳たぶに唇がピタリと寄せられ
「どんな理由があっても他のオトコとの
セックスは禁止です」
動けない。
ビリビリと耳から入る刺激が脳ミソを、直接チクチクと突っつくからだ。
他のオトコとは禁止と言った、
じゃあ、他のオトコ以外とは
シてもいーって、いう事?
「熱いな」
興奮していた。
体温が目まぐるしく上昇する。
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