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ここは大学の研究室。
部屋の中には、外からの僅かな光と
静かに唸るパソコンの明かりのみ。
闇を纏うオトコと
ソレに縋り付くオンナ。
「口付けをクダサイ」
言い放った瞬間
全身が逆立った。
服の下で立ち上がる毛穴は一瞬にして開き、そしてかつてないくらいに、締まる。
あたしの唇に押し付けられていた親指が
半ば入り口を抉じ開けるように
下顎に並んだ歯列を押し下げるように
下唇を潰し、出ていく。
近付く距離がもどかしく
点で触れては、また離れる。
視線はマスター三神の唇に
その動きに魅入ってしまう。
だけど
余りの嬲(ナブ)り具合に
視線を上げて、後悔した。
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