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彼が放つのは 闇だけではなく、魅了する色と艶。 そして なぜ。 そんなに優しい目をするのか あたしには分からない。 目の前に一枚、霞(カスミ)が掛かる。 そして、また一枚、また 一枚。 重なり続けたソレがいつか ソコに留まりきれなくなって 雫となって零れて、落ちていく。 キスひとつするのに こんなにも時間が掛かって こんなにも歯痒くて だから きっと、叶った時には 信じられないくらいに 込み上げる、感動が ……ある、んだ。 重なった 柔らかい刺激に、オンナを掴まれた。 唇の上で唇が形を変え お互いの唇で、アソブ。 ただ、重なっているだけなのに 全身がソコに集中して お腹の奥から、グラグラ茹だる。 マスター三神の肩に置いた手が 背中に滑り落ちていく。 あたしの腰を引き寄せる力が 倍加する。 時折、伏せた瞼を上げて 莫大な艶を抱えた黄金比を魅て また、瞼を落とす。
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