4/29
前へ
/36ページ
次へ
「アツいな……」 ボトルから グラスへと移りゆく液体が 月の光を取り入れながら 水の塊と触れ合う カランと鳴いたグラスに 唇を寄せて、高く香る液体に口づけた 喉元を通りすぎて アルコールがソコを潤しながら かけ降りていく 身体に染み渡るように 馴染んでいくのが心地よくて 目を閉じた 俄に、慌ただしい音がする 思考の中で 彼女の動きを捉え緩むのは口元 そして 産まれたのは悋気(リンキ) 私が、こんな排他的な欲に左右されるとは…… いや、オレはまみれてる 彼女を手にしたい一心で 彼女を掬いあげたい一心で ああ、これも嘘っぱちだ 建前は丸っきりでっち上げ ただ オレを植え付けたい それだけ
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1878人が本棚に入れています
本棚に追加