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「バーグ先生……、な、なんか今日は いつもと違うような気がします」 ポソリとした呟きに 「ワタシは、いつもと同じです 強いていうなら、貴女が変わったからでしょう 物事の捉え方も、考え方も、そして、環境さえも変わった Miss咲良、貴女がワタシを見る目も、変わったのでは?」 「は?」 「愛は寛容で、偉大で、というのは こういう事を指すのかもしれませんね」 バーグ先生は優雅に紅茶を飲み干した。 マスカットフレーバー漂う部屋に やっと、いつもの静寂が訪れる。 「あぁ、喉が渇いた、もう一杯如何ですか?」 そう言って、意地悪くウインクを飛ばし席を立つ。 こんなにカウンセリングしてくれれば、喉だって渇くよね。 「頂きます」 あたしはバーグ先生に、最近なれてきた微笑みを披露して カップを空にした。 「貴女の笑みが、どんどん本物になりますように」 バーグ先生は 柔らかく微笑んで、あたしからカップを受け取る。 「あぁ、いけないいけない、直視はキケンです」 ハハハ、と笑いながらポットのお湯を再度沸騰させる。 後ろを向いて肩を竦める仕草は なんとも、英国人っぽく、あたしの心を 更に和やかにした。
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