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だけど
それは許してはもらえなくて
ピタリとくっついた身体と身体
膨らんだ傷口を舐めずる行為が
動物のようで
‘ケガレテイル’
にも関わらず、疼いて
それがあたしの舌の上に重なるように滑り込んできて
更に、熱さを増した。
柔らかく触れ、ゆっくりと動き
穢れた口腔を、塗り潰してゆく。
「シャワーしたら、出るから」
「……はい」
離された温もりを呆気なく覚え
促される身体を心悲(ウラガナ)しく感じ
でも、それを見せまいと
あたしにしては、悠々と歩いて
なんとか辿り着いた風呂場。
ほぼ
脱がされていた服を剥ぎ取り
厭らしさで溢れた下着を脱ぎ去り
身体に示された朱や紅の紋様(モンヨウ)から
流れ落ちる虚無の滴から
目を逸らし
頭からシャワーを浴びて
上っ面だけの‘ケガレテイル’を流した。
どんなに石鹸を使っても
泡立てても、擦っても、キエナイ……
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