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時間外の窓口はやっぱり混んでいた。 あたしの受付は案外スムーズで 大森先生のお陰なのかな、と考えていた矢先 看護師さんに連れられたのは…… また、ここも二度目。 処置室、とは呼ばれていたがなんて事はない 狭い狭い診察室らしい。 看護師さんに声をかけられて 産婦人科特有の診察台に上がった。 暫くそんな格好で待たされて まぁ、特に恥ずかしい訳でもないあたしには なんて事はなかったが パタパタとスリッパの音を激しく立てながら近付いてきた それに あぁ、こないだの女医さんだ、と思った。 「ごめんなさい、お待たせお待たせ!」 そう言って、自らの手を洗い パチンパチンとゴムを伸ばす音が聞こえて 「はーい、洗浄しますよー」 やっぱり生温いような感覚が下腹部を襲う。 「はいオッケー」 先生の手があたしから離れて 着替え終わると掛けられた声。 「サクラサン、ちょっといい?」 女医さんがカーテンの向こうから様子を伺っていた。
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