23

15/28
1668人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
きっと営業スマイルなんだと思う 笑顔を見せる吉川先生 「女子の身体は繊細だから、大事にして 今回はシャレになんないくらいのタイミングだから もし、3週間以内に月のモノが来なかったらもっかいおいで」 「……シャレになんない、タイミング?」 吉川先生はあたしをマジマジと見つめて 「キミの身体の周期」 「……周期……」 「って、三神が言ってたけど」 なぜ、三神センセーがそんな事を。 確かに ついこの間、アレが終わったところで 多分、普通に考えればヨクナイに決まってる。 知ってるの、か? 「じゃあ、そんな訳で、仲良くね」 「はぁ」 どんな、訳で? 「咲良さん、健闘を祈る」 ビシっと親指を立てた吉川先生は あたしを見送りながら付け足す。 「奏に宜しく」 って、アンタ今の今まで会ってただろうが。 「ありがとうございました」 一応、お礼の言葉は残して 診察室を後にする。 直ぐに目に入ったのは 壁に凭れた三神センセー。 彼を捉えたあたしの全神経が、脱力するのを感じた。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!