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きっと営業スマイルなんだと思う
笑顔を見せる吉川先生
「女子の身体は繊細だから、大事にして
今回はシャレになんないくらいのタイミングだから
もし、3週間以内に月のモノが来なかったらもっかいおいで」
「……シャレになんない、タイミング?」
吉川先生はあたしをマジマジと見つめて
「キミの身体の周期」
「……周期……」
「って、三神が言ってたけど」
なぜ、三神センセーがそんな事を。
確かに
ついこの間、アレが終わったところで
多分、普通に考えればヨクナイに決まってる。
知ってるの、か?
「じゃあ、そんな訳で、仲良くね」
「はぁ」
どんな、訳で?
「咲良さん、健闘を祈る」
ビシっと親指を立てた吉川先生は
あたしを見送りながら付け足す。
「奏に宜しく」
って、アンタ今の今まで会ってただろうが。
「ありがとうございました」
一応、お礼の言葉は残して
診察室を後にする。
直ぐに目に入ったのは
壁に凭れた三神センセー。
彼を捉えたあたしの全神経が、脱力するのを感じた。
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