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「……暫く会わない間に、ホントーに変わったんだな」 悪友の大きな変化に 小さな笑いが止まらない 吉川 何でも器用に当たり障りなくこなし 世渡りもうまく そして、艶聞(えんぶん)が絶えなかった たけど、いつからだっただろう オトコトシカデキナクナッタ そう言って 女を抱く事をヤメテしまった、吉川が 後輩の大森に対して 軽く嫉視(シッシ)する 「アハハハハハハ」 「なに」 ギロリと横目で睨まれて 昔は刺々しさが溢れていたソレも 随分効力を無くしたもんだ 「あー、おもしれー」 「奏、お前ね」 うるせーよ、と付け足して オレ達は笑った 「まー、人の家庭にどうこう言うつもりはないが もっと、大事にしてやれよ」 吉川が真面目腐った顔で言う 「……お前は大事にしてんのかもしんねーけど この子がソレを感じてなければ意味ねーよ」 ……人間臭い事も言うようになったな、吉川 「はい、すいません」 オレは殊勝な気持ちで頷いた 同時に開いた診察室の扉 華が看護師に連れられて戻ってくる 「吉川先生、終わりました」 「あー、キミが、サクラ ハナさんね」 「はい」 「へー、ひょっとして、このオッサンの外見に騙されてんの?」 「は?」 オレは訳の分からない表現をした吉川を睨み 立ち上がって、華をソコに座らせた
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