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抱き締められている、心地好さに
早くも沈んでしまいそうだ。
この圧迫に乗じて
頬を擦り寄せ
縋るフリを見せても
大丈夫かな。
完成された体躯に額を付けて
目を
閉じた。
その矢先
これは彼のオサエがまた、1本外れたからなのか
それとも、あたしのこれ以上、を望む気持ちが強いからなのか
背中から入り込んだ掌は
薄いシャツを捲り上げ
何も纏わない素肌を空気と彼の前に晒す。
瞬間に駆け出した心臓が
その心臓を守る皮膚を包む掌に
爆発した。
逡巡(シュンジュン)など全く見せない振る舞いに
息も継げず
震えながら顔を上げて見た先に
支配の色。
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