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「奏、彼女?つつつつつつ、付き合ってるの??」
「なんだよ、オカシイ?」
「いや、いやいやいや、いいよ!いいっ」
「は?」
「良くないわよ、カナデ、早く別れて」
女はどうしてこうも五月蝿い生き物なんだろうか
「奏、紹介してよ!あ!ウチに連れて来なさい!」
「行かね」
「まった、アンタは!たまにはお姉ちゃんの言うこと聞きなさいっ!」
「うるせ」
姉弟でどうしてこうも性格が違うんだろう
……ヤツと華は、どういう関係なんだ
まだまだ華の事を何も知らない自分が
めちゃくちゃ小さく思えて……
オレはフラりと席を立ち上がった
「なんだ奏君、どうした」
「すいません義兄さん、帰ります」
「は?何カナデ、最後まで付き合ってよ」
オレに浮かんだのは怒りの黒
「もう充分だろ、佳奈子」
こんなに低い音は滅多に出さないんだが
いい加減、イライラする
「奏くん」
きっと義兄さんはオレのこの超低音を
一度間近で聞いた事があって
そして、その後、何が起こったかも知っているから
今、オレを呼び止めたんだと、思う
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