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到着した病院の前で
華は大きく溜め息をついた
今朝方、あの盛りの後
オレは珍しくも昼過ぎまで眠っていて
目覚めたのは
華の作った昼飯の匂い
トマトベースのベーコンと茄子のスパゲッティ
香ばしさに誘われ
起き出したオレに
柔らかく微笑んだ華
「お腹、空いてますか？」
最近特に、よく笑うようになり
表情も増えたように思う
元々、綺麗な女性だったのが
可愛らしさも兼ね備えて、ますます華やかしさが
増したようだ
こんな女の子が
どうしてなんだろう
何故、お前なんだ
スパゲッティを盛りながら
隠し味について解説する彼女を見て、唇を噛んだ
今、病院の前で立ち尽くす華を見て、やっぱりそう思う
また、病室階のフロアで待つ事を伝え
副島 志伸の病室へ消えていく華の後ろ姿を見届けて
複雑な頭の中を整理しようと試みる
ここに着くまでに
華には答え辛い質問だろう事を幾つか聞いて
オレの中は今、グッチャグチャだ
まぁ、ある程度の予想も想像もしていて
分かっていた事なのに
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