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暫くして 部屋に戻ると 「あ」 寝てる…… 志伸さんがベッドに凭れながら アルバムを抱えて寝息をたてていた。 きっと 疲れてるんだろう。 アルコールも久しぶりに摂取しただろうし、 あたしといるのだって、神経使うはず。 電気をそっと消して ベッドの上のタオルケットをかけようとして、手を止めた。 スースーと心地よく眠るその姿に どうしても聞きたくても聞けない事を問いかける。 意識のある時には絶対聞けなくて 「志伸さん、あたしの事忘れたかった? あの事故はあたしの所為?」 勿論、返事なんかあるはずがない。 小さな声。 ひょっとすると、声でもないのかもしれないくらいの、囁き。 「……ごめんね」 膝の上のアルバムを避けて タオルケットを被せる。 ‘パシッ’ 離れようとしたあたしの 右手首が捕らわれた、乾いた音。 ハラリ、と、滑り落ちたタオルケット。
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