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極々久しぶりに感じる志伸さんの温かさと匂い。 でも、実際はそんなに久しぶりでもないのに ちょっと、瞼が震えた。 志伸さんの呼吸は相変わらず整っていて どうして、こんな事になっているのか さっぱり、理解できない。 寝てるの、かな 抱き締められる強さは緩む事がなくて だけど心地好い縛りだった。 ……思い出したの? それとも、忘れてなんか、いないの? ねぇ、志伸さん。 「教えてよ、志伸さん」 「あゆ、み」 あたしの囁きと 志伸さんの呟きが 全く同時に響いて。 それを聞いて、また、何かがボトリ、と落ちた気がした。
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