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「話ってそれだけ?」 「あぁ」 「じゃ、オレは帰るよ」 オレの奢り、そう付け加えて カウンターに一万円札を置いて席を立つ 「奏」 「まだ、何か?」 鼻でフッと笑った親父 「今の仕事を続けたいなら結婚しろ ミカミに骨を埋めるんだったら、若いのでも、何でも 好きにすればいい」 今度はオレが笑う番だ 「親父、そりゃ無理だ 今の仕事も続けるし、若いのもやめない」 「そうか」 「ああ」 マジメに聞いてるとラチがあかない だけど なんとかしないといけない事態に発展する前に 手を打ちたい さて、どうしたもんか まぁ、どうするもこうするも ないんだけどな 暫く 彼女に触れていない 考えるとグラグラと揺れる 学内でも見かける事がなく、音沙汰さえ、ない 少しだけ忙しくなり始めた身の回り そして、ヤツのいる所に彼女を放り込んだまま 時間だけがキッチリと過ぎていく そしてちょうど10日が過ぎた頃 華は、マンションへ戻ってきた
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