1567人が本棚に入れています
本棚に追加
/38ページ
あたしを見下ろす吉田さんの全てが
あたしを邪魔だと、そう言っている
あたしが本当に憎いんだと、全身で感じた。
その後、吉田さんは
何事もなかったように
あたしと同じように床に散らばった写真を踏みつけて
病室を出ていった。
あたしの記憶の正確さは
素晴らしい程のレベルで
本当に些細な、動きや言動までもがインプット出来る
これは、時として
本当に厄介で。
今回みたいに覚えていたくない事でも、全てがリプレイされてしまう。
沸き上がるのは
何とも言い難い、だけど、全てマイナスの情動。
「もう、なんでかなぁ」
本当に何回も思った。
バチが当たったんだ
しかも、相当デカイバチ。
突っ伏した頭を横に向けて
あたしは瞬きを何回か繰り返した。
「どうした?咲良……」
あたしと向き合うように机に寝そべって
同じように瞬きをパチパチと繰り返すのは
言わずとしれた、海治。
最初のコメントを投稿しよう!