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エレベーターが到着を告げるまでの数十秒。
あたしはそこで
はしたないほどの濡れた声をあげた。
Tシャツの中に直接割り込んだ掌が
直に柔らかな部分を鷲掴み、また、例の人差し指が
穂先だけを擽る
そんなパフォーマンスに
堪らなく飢えた雄の部分を感じ
身体の中の雌が戦慄(ワナナ)いた。
後ろでやけに大きな音を立てて扉が閉まったように思う。
ぼぅ、っと足元に浮かんだオレンジが
部屋の中の闇をより、強調させて
あたしをそこへ誘う。
だけど
あたしが目の前にしたのは
今、閉まったばかりの、黒い、扉。
持っていたバッグはゴトリと地面に転がり
その手は後ろから掴まれ三神センセーの掌ごと
扉に押し付けられる。
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