32

4/17
1397人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
23のボタンに灯りが点き その階数に親しみが沸く。 三神センセーの部屋も23階だったな、と 今更ながらに思い返した。 「あなたは、誰?」 「ミカちゃんがなついてくれたら、教えてあげるよ」 「……じゃあ、結構です」 クックッと笑う様子も 全ての所作も 立ち居振舞い、何から何までも 聞いている年齢に比例しない。 「いつかは、なついてくれない?」 「……無理です、たぶん」 「ハッキリ言ってくれるよね、本当に オレの周りにはいない女のタイプだな」 「そうですか、皆さんそんなになついていらっしゃるんですね、へぇー」 「興味なさそ」 「はい、ありません」 23階はそれはそれは凄いフロアだった。 部屋の中は、もっと大変。 「……凄い」 「たぶんここで一番広い部屋だよ」 「……茶、茶室?」 「あぁ、そう、家族で茶会とかね」 あたしのアパート、たぶん10部屋くらい、はいるかもしれない。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!