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23のボタンに灯りが点き
その階数に親しみが沸く。
三神センセーの部屋も23階だったな、と
今更ながらに思い返した。
「あなたは、誰?」
「ミカちゃんがなついてくれたら、教えてあげるよ」
「……じゃあ、結構です」
クックッと笑う様子も
全ての所作も
立ち居振舞い、何から何までも
聞いている年齢に比例しない。
「いつかは、なついてくれない?」
「……無理です、たぶん」
「ハッキリ言ってくれるよね、本当に
オレの周りにはいない女のタイプだな」
「そうですか、皆さんそんなになついていらっしゃるんですね、へぇー」
「興味なさそ」
「はい、ありません」
23階はそれはそれは凄いフロアだった。
部屋の中は、もっと大変。
「……凄い」
「たぶんここで一番広い部屋だよ」
「……茶、茶室?」
「あぁ、そう、家族で茶会とかね」
あたしのアパート、たぶん10部屋くらい、はいるかもしれない。
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