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「随分待たせてくれんじゃねぇか」 更に低く這う重低音。 次いで、ヒュッ、と空を切って伸びてきた手は バン、と音を立てながら着地する。 すぐ横の壁にあたしの手首を押し付けて 黒く金に輝く瞳を ご丁寧にあたしの鼻先数センチのところで 惜しみ無く見せ付け 「挑戦的なカッコしてるんだな マジ、ソソル」 吐き出したその息は、熱くて、猛毒。 本能的に コワイ と、思った。
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