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「今日ねお兄ちゃんも帰って来るって」
「そうなんだ、だからこんなに大量なのね
ジャガイモ」
「ホントは昨日帰ってくる筈だったんだけど
仕事、間に合わなかったみたいでさ」
「ふーん、忙しいんだね」
ドン、と肘が小突かれて
「昨日、帰ってこなくてよかったわね」
お母さんが邪な目であたしに訴えかけた。
「え」
「だって、きっと怒り爆発よ、バクハツ」
ウヒヒヒヒヒ、と笑うそれは
人の不幸はなんとやら、のそのもの。
「おとうさんには雄子ちゃん家に泊まってる事にしてあったから」
次いで、アハハハハと豪快に笑う。
お母さん、ほんとにあんたは強いよ…
苦笑いが零れるばっかりだった。
結局、志伸さんが帰ってきたのは
あたしが眠るほんの少し前で
なかなか仕事に目処がつかなかったとかで
抜け出せなかったらしい。
部屋で暫くボーッとしていたあたしを突然襲う
下腹部痛。
「イタタタ」
きたきた。
やっぱりきたよ。
毎月、毎月期日になると、ほぼ狂う事なくやってくるようになったのは
あたしの生活が規則正しくなったからかなぁ。
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