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ベッドの上で微睡みながら 他愛もない話で盛り上がり そして、また、じゃれ合い 気持ちが昂れば お互いを知り尽くす為に深くまで探り、果てた 「離れたく、ありません」 「うん」 甘えて、額を胸に擦りつける仕種がいとおしい 「すき」 「うん」 見上げて、キスを強請るように唇を尖らせ 「もっと」 「ん」 自らをオレに晒し、捧げて その色の付いたボディを乱して 悩ましげなセリフを吐くくせに 「…………三神センセ」 「送らなくて」 「いいデス」 オレの元から、去っていくんだな 「これ、連絡先と、向こうの住所」 「はい」 一目、それに視線を落とし 「ニュージャージーにいらっしゃるんですか」 「ああ ……休みになったら、おいで」 「考えときます」 名残がオレを縛り 華を、手離せない 「華」 「はい」 「縛ってもいい?」 「……どこをですか」 「華を」 全部 そう、囁いて口付けた 「……じゃあ、元気で、センセ」 「イヤだ」 「駄々っ子みたい」 優しく微笑む華をギュウ、と抱き締めて 「センセ、頑張ってね」 「ああ」 もう、どんな事を言っても 華は揺るがない 未練だらけなのは、オレだけか
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