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止まらない 口に含んだ小さな塊を吸い 舌を突き立てる 華、と呼ばれ 髪を引かれ あたしはそこで、完全に三神 奏に支配された。 程よい痛みが頭部を覆う 彼の瞳に宿った直黒(ひたぐろ)。 溢れる もう、とんでもない事になっていて はしたなくてイイ しかられてもイイ 蔑まれてもイイ 傷を撫でられる度に 激しく突き抜ける刺激 口許に差し出された指でさえ、そんな目的でそうされた訳ではないのに喰いつき、丁寧に舐め上げた。 「華……違うモノ食べさせてやろうか」 黒さを表したセリフも 抉るような眼差しも 全部、食べさせて 食べさせて、クダサイ 三神 奏は麗しいばかりの面で 冷酷に彩られた、アツイ眼差しであたしを射る。 やられる 2年前、彼に仕込まれた猛毒が 全身を蝕み あたしの身体は末期的に狂いを見せた。
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