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はぁ、と、吐いた息が
随分、艶っぽくて
それさえも塩梅を善くするための材料になる。
「言えるような関係では、なかったように思いますが」
限界まで押し付けて
広がったクチビル
「……三神センセー?」
小さく小さく揺れるところから、始めようかな
「どうして、親父の女になったの?」
……そんな、意地悪も言うんだ。
素知らぬ顔で、そういう事をサラリと言えちゃうなんて
やっぱり、帝王三神のご子息なんだ。
「そんな、厭らしい関係では、ありませんでした」
厭らしいのは、会話と、会話の間に響く
くぐもった、このノイズ。
「どうして、……」
素晴らしい黄金比の比率がとうとう、歪み始めた頃
あたしは
取り押さえた筈の雄のケモノに飛びかかられていた。
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