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柔らかな絨毯をせかせかと踏み締めながら歩く 周りから見れば どうしてそんなに急いでいるんだと、思われるかもしれない 決まってる 華を抱く為 1秒だって、いてもたっても居られなくて ドア ドアにカードを挿すのさえ、めんどくさい さっきエレベーターを降りてからもおんなじ事した、だろ? そんな逸るオレは お約束のように、部屋に入るなり華を 引き寄せ 抱き締め ワンピースの裾をたくしあげ 肌とキャミソールの間に 掌と指を滑り込ませた 「かな、でさん」 「ん」 「奏さん!」 「ん」 オレの腕を拒むように押さえ 訴えかける華は 淡く緋色を湛えた揺れる瞳で 「お風呂、入りましょう」 そう言って、また、オッサンを揺るがす微笑みを見せた こんな卑猥な画(え)は ココでは、ダメだろう…… きっと、直ぐに、このページは隠されてしまう オレと華が居るのは バスタブの、中 湯を張らない、タブの、中
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