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響に初めて会った日から半年 日本に戻ってきたオレは身の回りの慌ただしさに 多少の疲れを感じていた 数学にはノーベル賞という括りがなく それに匹敵するような賞を貰っても 特に取沙汰される事はない そう、思っていたのに オレがプライツを獲得するにはまだ若手だから ミカミ、の息子だから 見てくれ的にヒットしているから そんな理由でなにかと放っておいてくれないのが世間だ そして、もうひとつ 最大の理由は 「おとうさん」 来やがったな 「あ、三神先生のご子息ですねー? 評判どおり、かわいーし、そっくりー」 「おとうさん、お仕事終わったの?」 お分かりかとは、思うが 息子は普段はこんな感じではナイ ニコニコと笑顔を振り撒き もう、周囲の輩を取り込んでしまった息子 いや、宿敵、響
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