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「吉田さん、次に入って来たバイトが女の子でも、優しくしてあげてくださいね。でないとまたすぐ辞めちゃいますよ?」
返事を聞かないままカウンター裏の冷蔵庫へ向かい、おでん用の具材を取ってカウンターの真ん前に置かれたおでんコーナーに具材を補充する。
寒くなってきたから、おでん売れるな。
何かオレまで食べたくなってきた。
今日の晩ご飯用にオレもおでん買って行こうかな。
そんな事を考えながらトングで大根を出汁に浸していると。
「涼太!」
入り口の自動ドアが開くのと同時に静が店の中に飛び込んで来た。
さすが変態ストーカー、店にまで押し掛けてくるとは。
「いらっしゃいませ」
静を変態ストーカーと知らない吉田さんが、接客用の挨拶をする。
が、静の耳には入っていないらしい。
「まさかここに涼太が居るとは思わなかった。今朝もこのコンビニで買い物したんだよ?」
「仕事中なんで、話し掛けないでくださーい」
「そっか、涼太はここで働いてるんだ。その制服も似合ってるね」
静が『似合ってる』と誉めてくれた制服は、青と白のストライプのシャツ。
似合ってるって言われても微妙だな。
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