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子供の頃からオレは勝ち気な性格で、曲がった事が大嫌いだった。
特に理不尽なイジメは大嫌いで、イジメっ子を片っ端から追い回して成敗するのがオレの使命だと勘違いしていたくらいだ。
そんな性格からオレは学生時代はやんちゃばかりしていて、高校を卒業してもロクな就職先なんて無かった。
だから二十歳にもなってフリーターなんかしてるんだけど。
「藤崎君、ちょっといいかい?」
バイト先のコンビニの店長である田中さんが、品出しをしているオレを手招きしている。
「何ですか?」
「ほら、アレ」
店長が指差す先には、入り口付近にしゃがみ込んで騒いでいる数人のヤンキー共。
街灯に集まる蛾の如く、夜になると集まって来る。
「困るんだよね。他のお客さんが怖がって入って来ないし」
「あー、じゃ、ちょっくら行って来ます」
金髪にピアスという派手な格好のオレをこの店の店長が雇ってくれたのは、この時の為でもあるんだから。
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